いつも元気でいなくていい
ひととひと
みずとはな
いきとしろ
あせとなつ
トンカツとパフェ
例え
抑の何かがなくても
相性はつくれる
どきん、と時めくのは
線をはみ出したとき
耳にイヤホンをつけて
目線をスマホにおくっていると
聞こえるはずの音や
見えるはずの景色に
気付けなくなってしまう
気付けるはずの感情を
通り過ぎてしまう
不安定な吊革にもたれる男性
気分悪そうに青ざめている女性
画面先の何かを見て微笑む若者
改札を無賃で通り抜ける学生
置き去りのペットボトル
放られたレシート
とん、と肩が当たっても
後ろの車をびっくりさせても
振り返りもしないひとがいる
そんな彼らにも
どきん、とする瞬間がきっとある
あなたはあなたの主人公
でも、映画みたいに
登場人物ひとりひとりに
名前をつけたりはしない
線をはみ出す瞬間を
無意識に探しながら呼吸する
数字が在るのは
大事なものを忘れない為
なのかもしれない
そう思った
名前がなくてもきっと
名前を知らなくても
名前を忘れてもきっと
存在を探す手掛かりになる
つめたいもの
あたたかいもの
いつも同じじゃない
その時、欲しいものがあれば
あなたはそれを選ぶ
アイスコーヒーが
「私を飲んで」と願うことと
あなたが飲みたくて
アイスコーヒーを選ぶことは
恋の確率で、あると思う
向かい合わせの好きと好きは
奇跡だと思う
生まれた場所も
育った環境も
顔も背も違うのに
よわったとき
声を聞きたいと思う
どうでもいいことも
知りたいと思う
かなしいかおを
させたくないと思う
失う辛さも
側にいれる幸せも
両方知っている25歳夏
ロマンチックが生まれるより先に
こころが動いて気付くことを
呼吸するように
見つけていけたらいいな 心から
SNSで見えるものは
ほんものみたいなにせもの
想像力を刺激する空想麻薬
バイキンマンとカビルンルン
こころはひとつでも
感情には幾らか種類があるから
不安と安心がすれ違う
こんにちわ
そう言って会釈を交わす
でも、わたしはへこたれない
大好きな人の
「大丈夫」を酵母菌にして
何度でもこころの大丈夫工場で
大丈夫を焼いてそれをたべる
それはとっても美味しい
じぶんの耳で直接聞いた
言葉や表情の温度だけ
それだけを信じて
太陽に向かってまっすぐ伸びる
真夏のひまわりみたいに
いつもにんまり笑っていられる
花が枯れても種を落として
また来年も、その次の年もきっと
にんまり笑っている気がする
友達のことでも
恋人のことでも
家族のことでも
わたしたちは
信じたいものを信じられる
そんな、凄いちからがある
いつも元気でいなくてもいい
どんなに迷っても大丈夫
雨は止むし日々はつづく
奇跡はちいさく起こりつづける
まつもとまい子
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